日記 / 2025年11月26日
11/26
酒をやめるためには、飲んで得られる報酬よりも、もっと大きな何かを、「飲まない」ことによって与えられなければならない。 それはたぶん、生存への希望、他者への愛、幸福などだろうと思う。飲むことと飲まないことは、抽象と具象との闘いになるのだ。 抽象を選んで具象や現実を制するためには、一種の狂気が必要となる。福来が、おれにとってはしごく普通の人間に見え、そのためにくだらない存在にうつるのは、そういうことかもしれない。
――中島らも『今夜すべてのバーで』1
註 1
中島らも(1952-2004)の半自伝的小説『今夜、すべてのバーで』(1994年刊行、講談社文庫)からの引用。本作は、アルコール依存症に苦しむ主人公・小島容が、入院治療と退院後の断酒の日々を経験する物語として展開される。引用部は、依存の本質を「報酬」と「抽象的価値」の対立として捉え、断酒を可能にするものが単なる理性ではなく、「生存への希望、他者への愛、幸福」といった超越的・抽象的な価値に対する「一種の狂気」であると喝破する。ここで「福来」とは、主人公の入院先の病院仲間であり、アルコール依存症という同じ苦しみを抱えながらも、主人公にとってはあまりに「普通」であるがゆえに理解しがたい存在として描かれる。中島らもは自身もアルコール依存症を公言し、本作にはその実体験が色濃く反映されている。「飲むことと飲まないこと」が単なる行動選択ではなく、「抽象と具象との闘い」であるという認識は、依存という問題を、快楽原則と現実原則の二項対立を超えた、実存的な次元へと引き上げる思想的な射程を持つ。
7時11分の学大発の電車に乗ろうとしたところ、 飲み終わりだと思われる男女10名くらいが駅前でたむろしていた。
なぜかすごい狭い距離に全員で固まっていて、ゴキブリみたいだと思った。 なんだったんだろうあれは。
禁酒3日目達成できた。
眠い。つらい。
酒のことを考えると動機と吐き気がする。 アル中患者は炭酸水を飲むらしい。 ということで、炭酸水を飲むさ。。。。。
酒が飲めなくて辛いのではなくて、なぜか酒を飲んでいないことによる眠気が半端ない。 生きているのか?と思うほど頭がぼんやりする。
註 2
ギー・ドゥボール(Guy Debord, 1931-1994)の飲酒論に関する考察。ドゥボールは、シチュアシオニスト・インターナショナル(Situationist International)の創設者として知られるフランスのマルクス主義理論家・哲学者・映画作家であり、主著『スペクタクルの社会(La Société du Spectacle, 1967)』において現代消費社会の疎外を鋭く批判した。彼にとって飲酒は単なる嗜好や悪癖ではなく、生の在り方を規定する思想的実践であった。自伝的著作『パネジリック(称賛の辞, Panégyrique, 1989/1997)』において、彼は「私が好んで、そして上手くやれた数少ないことのうち、確実に最もうまくできたのは酒を飲むことだった」と述べ、「飲む人のほとんどよりもはるかに多く飲み」「数ヶ月間連続して酔っていた」時期があったことを告白している。しかし、その飲酒の果てにドゥボールが見出したのは、「壮麗で恐ろしい平和、時間の経過の真の味(une paix magnifique et terrible, le vrai goût du passage du temps)」という、ある種の啓示的な経験であった。飲酒は、シチュアシオニストの実践である「漂流(dérive)」——目的を持たない都市の徘徊を通じて、資本主義的に構造化された都市空間を読み替え、新たな意味を創出する試み——と密接に結びついていた。バーからバーへと連なる酒の旅は、単なる酩酊ではなく、スペクタクル化された日常を脱構築し、抑圧された「状況の構築(construction de situations)」を可能にする批判的かつ遊戯的な視点を提供する装置として機能した。同時に、ドゥボールは『パネジリック』において、大量生産される酒類が地域的多様性を喪失し、均質化された商品へと還元されていく現象を痛烈に批判しており、酒もまた商品フェティシズムの対象となり、スペクタクルの論理に回収されることへの警戒を示している。晩年のドゥボールは、アルコール性多発神経炎、痛風、不眠症、めまいといった深刻な健康問題に苦しみ、1994年に自殺した。その死は、スペクタクルに対する闘争の敗北とも、あるいは最後の状況構築とも解釈される。飲酒という行為は、ドゥボールにとって、資本主義的規律権力への抵抗であり、疎外された時間性を奪回する実存的賭博であり、そして同時に、スペクタクルの破壊的非合理性の症候でもあった。
家に帰ったらガスが止まっていた。
どうしようもないので、冷たいシャワーを浴びた。 冬なので、水がとても冷たかった。 俺はタフな男だ,と言い聞かせて部屋をぽかぽかにして寝た。
みんなの今日
今日の一枚を投稿する
