記事 / 2023年12月6日

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ウェルベック『滅ぼす』読んだ。

3分 · 1483字

ウェルベック『滅ぼす』を読み終えた。8月に上巻を買ったので、なんやかんや4ヶ月かかって読んだ。

実際のところ、人生なんてその程度のものなのかもしれない。

とかなんとか主人公が言っていた気がする。それは主人公の父の、家政婦かつ愛人の女性に対してのセリフだ。フランス大臣補佐の主人公、の父は妻を早くに亡くして同年代の家政婦と二人で暮らしている。正確な年齢は覚えていないが、おそらく70歳以上だった気がする。 その愛人の人生のつまらない、取るにならない人生を振り返っては、二人に性生活があるのだろうか、などと考えたりする。

こないだ読んだ『素粒子』も圧倒的に面白かったのだが、今回は普通に泣ける作品であった。フランス大統領選、国際的なテロ事件、妻との冷え切った関係、父の介護、弟の離婚、絶望しても絶望し足りないくらいの困難。さらに、妹の旦那は無職である。

まず単純に、話として面白かった。大統領選とかテロとか、その辺の描写は映画的だ。なんていったって、上巻の1ページ目には断頭台の図が載っている。 一方で家庭にまつわる困難も切実で、その二つが『滅ぼす』というタイトルの中でどう回収されるのかすごい楽しみに読んでいけた。(4ヶ月かかったけど)

とはいえ、いつものウェルベックの中にあるような恋愛の階級闘争もないし、資本主義と恋愛みたいなテーマもない。大抵の登場人物たちは金を持っていて、結婚もしている。

下巻からは、上巻の色々あったことはほとんどどうでも良くなってくる。むしろ、前半で問題だったことは徐々に回復を迎えていく。ところが、もっと絶望的な状況がやってくる。

もはや何に絶望したら良いかわからなくなっていって、仲直りした妻に「わたしたちは生きることにはあまり向いてなかったね」と言われてしまうところあたりから、普通に泣かされていた。

とはいえこのセリフからもわかるのは、読後に徹底した絶望があるわけでは全くないということ。なんなら最後の30ページくらいでは、めちゃめちゃ幸せそうなセックスをしているし、「こんなに絶望的な状況で勃起するのが不思議だった。」みたいなシーンもある。

単純に50歳で絶望しても勃起するんだ、ということがぼくにとってもいくらか救いだった。 そういえばバイアグラのジェネリックをネットで買ってみた。前いただいたものと同じやつ。普通に忙しいので、そんなことしている場合じゃないのだが、念の為。(情けない)

(厳密にはこれはスパンクハッピーの曲じゃないはず)

ウェルべック『滅ぼす』は、まぁ普通の恋についての小説なのである。

昨日は半年ぶりの就活面接を終えめちゃめちゃ疲れて終わって3時間寝てた。

Cosmic Dance / 2023年12月6日
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