日記 / 2023年12月13日
12/13
11時に起きて、13時に学校へ行く。15時過ぎにお腹が空いたのでマックでグラコロを食べに行った。
大橋駅へ向かう、ロータリーの歩道脇の広場。キッチンカーでもない、ただのバンが駐車してある。男女二人がバンの横に立っている。
最近、ここの広場ではいつも野菜が売られている。のぼりがあったり、ちゃんとスペースも確保されているので、端的に野菜が売っていることがわかりやすい。
ところが、ただのバンはただのバンである。バンと人がいるだけである、何かを売っている様子だが、何も置いてない。
目の前を通過する。
女性が掲げるダンボールには、コーヒー400円、と書いてある。どうやらコーヒーが売っているらしい。男性は白い紙をラミネートしたものを掲げている。そこには、赤い文字でこう書いてあった。
SAIL
おそらくタイムセールなのだろう。ただ、それならTIME SALEのはずだ。これじゃあ"時間航海"である。素通りしてマックへ行った。
とはいえもしかしたら、本当にTIME SAILだったのかもしれない。過去か未来からやってきたコーヒー、あるいはコーヒーを飲むとトリップしてTIME SAILができるのか、あのバンに乗れば良かったのかもしれない。
グラコロを食べ終わり学校に戻る時に、TIME SAILのコーヒー屋さんはすでに撤収するところだった。 一応、「まだコーヒー飲めるのか」と、聞いてみた。 「大丈夫ですよ。」と男性が答える。 ぼくは400円を渡して、コーヒーを淹れるのを待っていた。
「そういえば」とぼくは意を決して切り出した。 「さっき掲げてらっしゃった。タイムセールの紙、スペル間違ってましたよ。セールの部分はSAILじゃなくてSALEだと思います。」 数秒の気まずい沈黙。めんどくさいこと言わなければ良かったと思った。男性と女性は、急に笑い出した。 「いやそうですよね、わたしもなんかおかしいなと思ってたんです。」と女性。
スペルミスを指摘されると人は恥ずかしいものである。そんな時は笑うしかない。気まずくならなかったので安心。ぼくはさらに続けてしまった。
「TIME SAIL なら時間航海っていうか、時間旅行みたいなニュアンスになっちゃいますね笑 タイムマシンに乗ってきたみたいな。」
あぁ、またやってしまった、瞬時に反省する。スペルミスを指摘するだけで良かったのだ。 和やかだったさっきまでの空気が一瞬で終わる。
そして男性が不穏そうに話し始める。 「笑わないでくださいね。」
「え、はい。」
「実はこれ、タイムマシンなんですよ。」と言った男性。やけに真面目そうな顔。「はぁ。」とぼくが言ったところで、男性は笑いが堪えきれなかったようだ。先ほどより大きく笑い出す。女性も爆笑し出している。俺が始めた物語とはいえ、全然面白くない。全然面白くないのに、二人はずっと笑い合っている。 「タイムマシンなんて」 「そんなのあるわけないじゃんね」 とほんとに何がおかしいかわからない。ただ、ふたりは腹をかかえてひっくり返るほど、ゲラゲラ大笑いしている。
ぼくもなんだかよくわからなくなって、耐えきれず爆笑してみた。大橋駅のロータリー横で三人で爆笑したのだ。そうやって何がおかしいのかわからなくなるくらいまで一通り笑いあった後で、コーヒーができた。
筒井の「笑うな」という短編にこんな話があったな、とコーヒーを飲みながら思い出す。
そのあと
先生とその知り合いと謎の飲み会が開かれたので、17時頃六本松に行った。
飲み会は19時からと言われていたので早く着きすぎてしまった。ぼくが寄稿した同人誌が六本松の本屋で売られているということなので挨拶に行くつもりではあった。
ぼくはソワソワしていた。おしっこもしたかったけど、別の意味でソワソワしていた。鼻の低い女性も六本松で働いているのである。しかも18時に退勤と言っていた。1時間くらい本屋で過ごして駅前をプラついてたらワンチャン会えるかな、などと考えていた。ソワソワしていた。これじゃあストーカーの一歩手前だ。(既読無視されているし)
引き寄せもセレンディピティも信じてないけど、誰かに会おうと思っていたら誰かにあってしまうものなのかもしれない。本屋に行ったら同人誌を一緒に書いた人たちも挨拶しにきていた。本当にぐうぜん、同じタイミングだった。
本屋でぐだぐだしてから、友田とん『ナンセンスな問い』とナンシー関の文庫本を買った。それでもまだソワソワしていた。ソワソワしながら六本松の蔦屋書店に行った。
ソワソワしていたので、喫煙所に入ってタバコを二本吸った。ソワソワしながら、本棚を眺める。プランツケアの本が読みたかったので、植物本のコーナーへ、彼女の部屋には本棚はなかったことを思い出す。何冊かの本はあったが、仕事のほんと東野圭吾とかだった。
「こんなとこにいるはずもないのに」もちろんいるはずがない。
人が何もしない植物に対してこんなにケアできるなら、ヒモも割と現実的なのかもなと思ったりした。
そして飲み会へ
飲み会を終え六本松から薬院に着いたが、西鉄の終電がなくなっていた。六本松から薬院までの地下鉄の中で、もう終電がないことは確定していた。ぼくはどうしようかなぁと思いながら先生と雑談していた。 気合いを出せばチャリチャリで帰れる。
そんなときに、鼻の低いから彼女からラインが来た。三日無視された後のラインである。ワンチャンあるかなと思って「泊めて〜〜」とLINE送った。
玉砕。
残念ながら俺には特攻の美学なんてない。散るのが美しいなんて嘘だ。 なんとなく帰りたくなかったぼくは手当たり次第に「今から泊まれるか」と女性にメッセージを送る。
無事見つかったので、その女性と出会うことにした。 薬院大通の公園で待ち合わせることになった。公園では男女5人くらいが花火をやっていた。こんなに寒いのに。
女性と会う。出会った瞬間からなんとしても帰宅することにした。理由は察してほしい。「一旦散歩しよう」と言って10分くらい歩いた後「ここまできたら帰れるわ」と言って帰った。
もうなんか情けなさの極みみたいな日だった。笑ってくれや、、、
みんなの今日